こんにちは、セルバコンサルティング採用広報のゆうきです。
グループ会社のセルバでは採用担当も兼任しています。

IT業界に就職・転職したい。
と考えたとき、まず多くの人が思い浮かぶのはエンジニアというポジションではないでしょうか。
エンジニアになるためにプログラミング学習を始めたり、情報を集めたりするのは素晴らしいことです。
ただしその過程で、「プログラミングが合わなかった」「コードと向き合うよりも人と関わる仕事がしたいと気づいた」ということも、求職者の方からよく聞きます。
そこで今回紹介するのが、“PMO”というポジションです。
プログラミングができなくても、未経験からIT業界で活躍して高収入も目指せるキャリアパスです。
そもそもPMOってなに?
PMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)は、簡単に言えば「プロジェクトを円滑に進めるためのサポート役」です。
プロジェクトの進行状況を管理したり、会議の議事録を取ったり、スケジュールやタスクを調整したりと、“調整力”や“コミュニケーション力”が求められる仕事です。
PMとの違い
よく似た名前のポジションとしてPM(プロジェクトマネージャー)がありますが、PMはプロジェクト全体の責任者のことを言います。
目標の設定、進捗管理、予算や人員の管理など、プロジェクトを「成功させる責任」を負います。
一方でPMOは、PMを支えるポジションです。
PMが意思決定に集中できるよう、情報整理や資料作成、関係者との調整などを行います。
PMが“監督”なら、PMOは“作戦参謀”のような立ち位置です。
PMOとして経験を積めば、ゆくゆくはPMへステップアップしていくキャリアも十分に可能です。
なぜPMOが高収入を狙えるのか
結論から言うと、PMOが高収入になりやすいのは、プロジェクトの要所を押さえる重要なポジションだからです。
プロジェクトの成功に関わる責任あるポジションなので、報酬も相応に高く設定される傾向があります。
SESだと大手企業のプロジェクトに入ることも多く、そういった現場では単価も高めです。
未経験でも高収入を狙える?
結論としては「いきなり高年収は難しいが、早い段階で到達できる傾向がある」というのが現実です。
未経験でPMOとして入った場合、年収300万〜400万円台前半からスタートするケースが多いです。
1〜2年の現場経験を積み、会議ファシリテーションやタスク管理などを主体的に担えるようになると、年収500万〜600万円台に到達する人も少なくありません。
重要なのは、単なる補助作業で終わらず、成長機会のある現場に入ること。
スキルと信頼を積み上げれば、20代後半で大手PMO案件に参画し、年収600万円以上を目指すことも現実的に可能です。
プログラミングに向かなくてもPMOなら活躍できる
PMOは、「人と話すのは苦じゃない」「チームで動くのが嫌いじゃない」タイプの人に向いているため、IT業界に入るためにプログラミングを勉強したけど合わなかったという人でも、これらの素養を持っているならおすすめの仕事です。
文系出身でも活躍しやすい
PMOは、「論理的に考え、相手にわかりやすく伝える力」が求められる職種です。
これは、プレゼンやレポートを通じて情報を整理・発信してきた文系出身者が得意とする傾向があります。
プロジェクト全体を俯瞰して見る力や、関係者同士の調整役としての柔軟な対話力も重要になるため、文系学部で培った“文章力”や“コミュニケーション力”が活かせる場面が多いです。
PMOは技術的な細かい実装よりも「プロジェクトの流れ」や「ビジネスの意図」を理解する立場であるため、抽象度の高い思考を重ねてきた文系出身者のバックグラウンドと相性が良いのです。
高学歴が有利な傾向がある
PMOはプロジェクト全体を把握し、複数の関係者とやりとりをしながらタスクを管理していく知的労働です。
会議資料の作成や議事録の要点整理、進捗管理、ツール操作など、情報処理能力が求められるため、一定レベルの地頭(=基礎学力や論理的思考力)が評価されやすい傾向があります。
そのため、学歴が高め(MARCH以上、国公立など)の方は、開発未経験でも現場に入りやすい傾向があります。
クライアント企業によっては、一定以上の学歴を求める現場も存在するため、学歴が足切り条件になることもあります。
特に未経験だと「ポテンシャルをどう判断するか」が重要なポイントになり、学歴がその一つの指標として使われやすいのです。
未経験でもPMO案件にアサインされるのは可能?
結論から言うと、20代であれば未経験でもPMO案件にアサインされる可能性は十分あります。
ただし、「誰でも簡単に」とはいきません。
アサインされやすい条件
- 20代
- 学歴が高め(MARCH以上や国公立大)
- 社会人経験が1〜2年程度あり、ビジネスマナーが備わっている
- ExcelやPowerPointの基本操作ができる
- 人と話すのが苦手ではない(最低限の対人対応ができる)
企業側から「若手=育てやすい」と見なされ、ポテンシャル採用されやすいため、特に25歳以下は有利です。
26歳以降になると「そろそろ即戦力」という見方をされやすくなり、未経験としての受け入れ難易度がやや上がる傾向があります。
ただし年齢だけで判断されるわけではなく、短期間で転職を繰り返している24歳よりも、新卒で入った企業で着実に実務経験を積んだ27歳の方が評価されるケースもあります。
重要なのは、若手として育てやすい年齢に加えて“職歴の安定性”や“ビジネスマナー・責任感”があるかどうかです。
キャリアチェンジで評価されやすい職種
PMOに限らず未経験の仕事にキャリアチェンジする場合、前職の職種から適性を見られる傾向がありますが、以下のような職種はPMOとしての素養があると見なされやすいです。
- 法人営業:ヒアリング力、調整力、対人コミュニケーションが活かせる
- 事務職(総務):資料作成やスケジュール管理などの正確性・調整能力が評価される
- ヘルプデスク・カスタマーサポート:ITリテラシーとクライアント対応経験がPMOの基礎力に直結
- 人材系や広告代理店の営業:プロジェクト型の業務経験やマルチタスク能力が活かせる
「新卒で営業に配属されたけど、IT業界に転職したい」と感じている人は、これまでに培ったビジネスマナーや折衝経験が強力な武器になります。
新卒からPMOを目指すなら
新卒からPMOを目指す場合は、以下のような流れが一般的です。
- 大手SIerやITコンサル企業に新卒で入社し、PMO補佐業務からスタート
- Excel・PowerPoint・議事録・進捗管理ツールのスキルを現場で習得
- 1〜2年後に中堅PMOとしてキャリアアップ
PMO案件に強いSES企業を活用するのも現実的な選択肢です。
中でも「体制参画制度」がある企業であれば、実務経験のない新卒でもチーム単位で現場に入り、先輩のサポートを受けながら業務に慣れていくことができます。
新卒の場合、最初から完璧なスキルは求められないので、「素直に吸収する姿勢」と「基本的なPCリテラシー」が大切です。
また、プログラミング経験がなくてもIT業界の基本用語やシステム開発の流れくらいは理解していることが望ましいです。
「ウォーターフォールとアジャイルの違い」や、基本的なIT用語(サーバー、クライアント、データベースなど)などの知識があると、現場での会話にもついていきやすくなります。
低学歴からPMOを目指すなら
高卒・専門卒・MARCHより偏差値が低い大学卒など、いわゆる“低学歴”と言われるバックグラウンドの人でも、20代であればPMOを目指すことは十分可能です。
学歴が重視される理由のひとつは「ポテンシャルの判断基準として使いやすい」ことにありますが、前職・現職での実務経験や職歴の安定性、人柄・意欲など他の要素でカバーすることができます。
以下のようなアプローチが現実的です。
- 社会人として1~2年の実務経験を積み、ビジネスマナーを身につける
- ExcelやPowerPointを使った資料作成スキルを独学 or 業務で習得
- 学歴不問のSES企業に入社する
- IT関連の資格(基本情報技術者、MOS、ITパスポートなど)を取得する
学歴に不安がある人は、“実績”と“姿勢”で信頼を獲得していくのが現実的です。
現場でしっかり動ける人材を欲しがるSES企業や、現場重視のクライアントにとっては、学歴よりも「安心して任せられるか」の方が重要視されます。


30代からPMOを目指すのは難しい?
30代で未経験からPMOを目指す場合、どうしても20代よりもハードルは高くなりますが、以下のような戦略を取れば可能性はあります。
- 過去の職務経歴を“プロジェクト型の経験”として整理し直す(例:業務改善、顧客調整、チームマネジメントなど)
- Excelや進捗管理ツール(Backlog、Redmine、Jiraなど)を使えるようにしておく
- PMO補佐・サポートポジションからスタートし、半年〜1年でキャッチアップするつもりで臨む
- 「未経験OK」「ポテンシャル採用」を全面に打ち出しているSES企業より、経験者と組ませて参画させるスタイルの企業を狙う
30代は20代以上に「社会人経験」「責任感」「資料作成力」「意思疎通の丁寧さ」といった“ビジネスパーソンとしての信頼感”が問われるので、前職・現職でのマネジメント経験やプロジェクト推進の実績があると非常に有利です。
たとえば「チームリーダーとして5名の業務進捗を管理していた」「新規施策の立ち上げに関わった」など、プロジェクト的な関与があれば、IT未経験でもPMOの素養があると判断されやすくなります。
PMOという仕事自体に年齢制限はありませんが、「育成枠」としての募集は基本的に20代が中心です。
30代での転身は“これまでの経験を活かした即戦力としての見せ方”ができるかが重要になります。
名ばかりPMO案件には要注意
SES業界でたまに聞くのが、「PMO案件と言われて入ったのに、実際はただの雑務やスキルの身につかない“ロースキル案件”だった」というケースです。
避けるべきPMO案件の特徴
- 案件内容があいまいで「議事録作成メイン」などとしか説明されない
- 実務内容が開示されず、面談での説明もふわっとしている
- 現場で使われるスキルやツールが明確でない
- 商流が深く、エンドユーザーとの距離が遠い(発言権や裁量が少なく、学びが限定されがち)
特に「商流が4次請け、5次請け」などの案件は、元請けや顧客との距離が遠く、単なる伝言ゲームになってしまうことも多いため、上流工程に関わりたい・スキルをつけたいという人にとっては成長の機会が限られてしまいます。
だからこそ、SES企業選びはとても重要です。
入社前に「実際どんな業務をやるのか?」「PMOとしてどんなスキルが身につくのか?」をしっかり確認しましょう。
PMO案件に強いSES企業の特徴
PMOとしてしっかりキャリアを積みたいなら、以下のような特徴を持つSES企業を選ぶのが理想です。
- PMOに特化した案件実績が多い(過去のアサイン事例を開示してくれる)
- 案件参画前に業務内容を具体的に説明してくれる
- 議事録作成や雑務だけでなく、ツール操作や進捗管理などを学べる現場を用意している
- 自社内でPMOの教育・研修を行っている、もしくはキャリアパスの支援がある
- エンジニア出身の営業やキャリアアドバイザーがいる(現場理解がある)
入社前に見分けるには?
信頼できるSES企業かどうかは、入社前にある程度判断できます。
下記の記事で詳しく説明していますので、合わせてご覧ください。


「なんとなく雰囲気が良さそう」ではなく、「納得して任せられる会社かどうか」を見極めましょう。
エンジニアからPMOになる道もある
開発を担当するエンジニアから、PMOにキャリアチェンジする人も珍しくありません。



現在エンジニアとして働いているけど、このままエンジニアを続けるべきか迷っている……。
そういう場合は、PMOへの転身という道もあります。
エンジニアとしてキャリアアップするのとPMOの違い
一般的にエンジニアのキャリアパスは、以下の順番で進むのが王道です。
- 下流工程(テスト・実装)
- 上流工程(設計・要件定義)
- マネジメント(PL・PM)
この中でマネジメントフェーズに入ると、PMやPL(プロジェクトリーダー)といった役割に就くケースが増えます。
一方でPMOは、マネジメントに関わるポジションでありながら「プロジェクト全体を俯瞰し、PMやリーダーをサポートする調整役」という立ち位置です。
PLやPMは“現場を指揮するリーダー”ですが、PMOは“プロジェクト全体の健康状態を保つ参謀”というイメージです。
PLやPMはプレイングマネージャーとして技術力も必要とされるのに対し、PMOは技術の橋渡し役として、技術力よりも「進捗管理」「資料作成」「関係者調整」といった横断的なスキルが重視されます。
エンジニアよりPMOが向いている人の特徴
以下のようなタイプの人は、エンジニアよりもPMOに転身した方が自身の強みを活かせる可能性があります。
- コードを書くことや細かいバグ修正が好きではない
- 人と話したり調整したりすることが好き
- 物事を段取りよく進めることが得意
- 課題を整理したり、仕組みを改善するのが好き
- 全体を俯瞰して考えるのが得意
- 人や情報の流れをマネジメントすることに興味がある
こうした資質を持っている人は、無理に技術を追うよりも、PMOという立場で活躍した方が評価されやすく、成長も早くなる傾向があります。
「やっぱり開発に携わりたい」「ものづくりが好き」という人は、エンジニアとしてのキャリアアップを目指す方が良いでしょう。
エンジニア→PMOへのキャリアチェンジのステップ
- 開発現場で2〜3年経験を積み、開発フローの理解を深める
- チーム内でタスク管理や進捗確認を率先して行うようにする
- 希望を出してPMO補佐業務やサブリーダーとしての役割に挑戦する
現場で信頼を積み上げれば、自然とPMOポジションへの道も開けます。
開発経験があるPMOは「技術的な会話ができる調整役」として重宝されるため、他の職種からのキャリアチェンジよりも有利です。
セルバコンサルティングではPMOになりたい人を支援しています
セルバコンサルティングでは、SES事業とエンジニアの転職支援を行っています。
SESではITコンサル系の案件に強みがあり、転職支援ではプログラミング未経験からIT業界に転職した人の支援実績も豊富です。
「自分にPMOが向いているかわからない」「まずは話を聞いてみたい」そんな方も歓迎です。ぜひ一度ご相談ください。